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あらためて

2013.01.13.Sun
 わたしはブログ巡りが好きで(←暇なんかいっ、と突っ込まれてもしかたありませんが)、よくいろんな意見を読ませていただいています。年の初めのブログには、年頭の抱負を書かれた方も多く、そういうのを読んで、自分もがんばらねばと気合いをいただいたりしています。そんななか、ご意見がかなり重なる2つのブログに遭遇しました。それぞれまったく無関係なブログで、一方は翻訳業をなさっている会社経営者のブログ、もう一方は別業種で独立営業なさっている方のブログです。

 その内容は、おおむねこういうものでした。時代の需要とか流れとか、そういうものを読んだりキャッチしようとすることも大事かもしれないけど、あまりそういうものを気にかけるよりも、結局は「自分はこうしたい」ということを前面に押し出した方がいい。そういうことを、それぞれの書き方で書かれていました。その内容には大いに勇気づけられました。

 わたしがしたいことは、翻訳原稿の英語をきちんと深く読み込んで、それを一番正確で一番いいと思える美しい日本語に移し替えること。それに尽きます(わたしの仕事は英日ばかりなので)。まだ遠く及びませんが。

 「美しい」という形容詞については、説明が必要かもしれません。かなり以前のことになりますが、先輩翻訳者の訳文を1パラグラフほど読んだとき、実務翻訳であるにもかかわらず、何よりもまず「美しいな」と感じたことがあって、そのときの感激が忘れられないのです。もちろん文書の性質上、谷崎や三島ばりの美文とか、そういうのではないのですが、とにかく読みやすくエレガントな文章で、こういう文、わたしも書きたいと思いました。「実務翻訳であるにもかかわらず」というのは、わたしの心得違いかもしれません。実務翻訳の文はどちらかというと無味乾燥、そんな思い込みがあったのかもしれません。

 上記ブログの翻訳業の方は、業界全体の動きなどにも頓着しておられないようでした。全体に値下げに走る同業他社も多いなか、ご自身の会社は値下げには一切応じず、求められた方針に合わせられないと思ったら、遠慮なく断ってきたそうです。清々しい姿勢だなと思いました。

 同時に、それは自分の仕事に責任を持つということに通じると思いました。自分がいいと思わない仕事に、責任を持てるわけがありませんから。自分のしたいことが、単なる自己満足に終わることであれば、軌道修正が必要な場合もあるでしょうが。

 わたしの場合、翻訳業界全体の動向がどうとかというのは、自分の器ではないのでわかりません。そういうことに対して無関心でいてはいけないかもしれませんし、アンテナを磨くのも大事かもしれません。でも、最も大事なのは、目の前の仕事を期限までにミスなく最善のものに仕上げること、取引先とのやりとりは丁寧に時間をかけてすること。これも上記ブログ主の方が書かれていたことで、大いに共感した一節です。そもそも、それだけで精一杯だし。

 今の取引先では、取引きを始めた頃、参考資料を渡されて、それをもとに「一番いいと思う翻訳をして下さい」と言われたことがありました。翻訳そのものについて、それ以外のことを要求されたことはありません。ありがたいことです。

 自分のやり方が間違っていれば、そのうち頭を打って思い知ることになるでしょう。そのときは、そのときです。しかたがありません。でも、仕事の依頼があるかぎりは、わたしは自分のしたいことを大きくは変えられないような気がします。自分のしたいことであれば、失敗しても納得できるでしょう。せっかく一人で仕事をしているのです。そのことを生かして、やりたいようにやっていこう。そんなことを思いました。

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「知的文章とプレゼンテーション」

2012.05.20.Sun
以前にこのブログで「医薬品クライシス」という本をご紹介したことがありますが、その本の著者である佐藤健太郎さんのブログで、しばらく前に紹介されていた「知的文章とプレゼンテーション 日本語の場合、英語の場合」(黒木登志夫 著、中公新書)という本を読みました。著者は、がんの研究者として40年にわたって論文執筆と審査にかかわってこられたそうで、文章については現場で鍛え上げてきた方だといえます。

 個人的におもしろかったのは、「日本語は非論理的か」という章。「英語は論理的だけど、日本語は非論理的」というようなことは、これまでにもよく言われてきたように思います。でも、わたしは、その手のことを聞くたびに「そうかなぁ???」と違和感を抱いていました。日本語が非論理的と言われてしまうのは、単に、日本語で論理的に書く訓練を誰も受けていないからというだけなんじゃないの?と。わたしもその一人なので、今仕事で苦労しているわけで・・・いやいや、人のせいにしちゃいけないんですけど(汗)。それに、日本語は非論理的、なんて、日本語のネイティブとしては悔しい。そんなことはないと思いたい!というのもありました。

 なので、「これまで、論理的な文章を書きつづけてきたと自負している一人として、私は日本語が非論理的であるという意見には、簡単に賛成できない」と、著者がおっしゃっているのにはスッとしました。その上で、日本語が非論理的と言われる理由が挙げられていて、さて、では論理的な文章を書くにはどうするか、が書かれています。

 著者ご自身も書いておられるけど、木下是雄の「理科系の作文技術」は相当に意識なさったようで(同じ中公新書だし)、あちこちで引用されていたり、時たまですが反対意見が書かれていたりしているのが、とても興味深かったです。

 あと、このほかに、これまで論文や申請書を書いたり、論文を審査したりしてきたご経験について書かれているのも、著者ならではの裏話っぽくておもしろかったです。「英語を書く」ということについても一節が割かれているけど、こちらのほうは、翻訳者にとっては正直、それほど新鮮味はなかったかなー。ページ数も、そんなに多くないしね。

 それにしても、著者は日本語についても英語についても、谷崎潤一郎や三島由紀夫の「文章読本」をはじめとして、かなりの書籍を読んでこられていて、その量には圧倒されました。本職の研究のかたわら、文章について考えるためにだけ、これだけの本を読んでおられることに感動しました。わたしももちろん、商売なので、この種の本は何冊となく読んできましたが、それ以上に読んでおられます。質、量とも完全に負けました。ちょっと恥ずかしい。やっぱり文章ってのは、真剣に向き合おうとすれば、誰にとってもそれだけ難しいって事なのか(-.-;) 医学に携わる方が、これだけ苦労して文章にしていることを訳す商売であるからには、わたしも「論理的で読みやすい訳文を書きつづけてきたと自負している」と言えるようにしなければ・・・と思いました。

通読

2012.01.16.Mon
 今年の勉強目標を書くと言っておきながら、またまた日数が開いてしまいました。すみません。

 今年は「通読」を目標にしています。仕事上、本が必要になって買うことはわりと多くて、所有するだけなら、けっこうたくさん所有しているかもしれません。例えば、手持ちの本の中で数が一番多いのは、思いっきり苦手意識のある統計で、「宇宙怪人しまりす」みたいな薄い本から、ガッツリ厚い本までいろいろ買ってきたのですけど、和書洋書をあわせると、いつのまにか20冊ほど集まってしまいました(さっき数えてビックリ!)。でも、なんとか通読したのは、それこそ「しまりす」と「医学統計シンプルスタイル」と「マンガでわかる統計学[回帰分析編]」ぐらい。だいたいの本は、仕事でバタバタと調べ物をするたびに、あっちの本を少し、こっちの本をちょっぴり食い散らかすような感じの使い方で、○○に小判か真珠か、というしかない状況です(涙)。

 ですが、一つのことについて、いろんな本で手を変え、品を変えて様々な切り口から説明してくれているのを読んでいるうちに、霧がだんだんと晴れてくるように、わからなかったことが理解できてくるという経験は何度かしているので、そういう使い方にも多少はいい面がないわけではないかもしれません。数打ちゃあたる、というのもありますし。

 でも、そんなふうに、あちこちツマミ食いするような使い方だけではなく、やっぱり一つの領域について1冊ぐらいは通読したいなと思うのです。これまでに通読できたのは、解剖生理ぐらいだし。去年もちょっとトライはしてみたのですが、わたしは一つのこと(目の前の仕事の納期など)で頭がいっぱいになると、すごく慌ててしまって他のことに気を回す余裕がすぐに無くなってしまうので、いつの間にやら通読はどこかに行ってしまいました。今年こそは!読破を目標にしています。

 今年は「化学」の本を通読する目標を立てています(統計ではありません)。最初に無機化学、次に有機化学を順に読んでいく予定です。通読用の本としては、以下の本を選びました。

ライフサイエンス系の無機化学ライフサイエンス系の無機化学
(2009/06)
八木 康一、矢沢 道生 他

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ベーシック有機化学ベーシック有機化学
(2010/11)
山口 良平、田村 類 他

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 「無機」の方は、去年にも通読を企てたときに、ちょっとでも仕事内容に近い方が続くだろうと選んだ本、「有機」の方は、「有機って面白いよね!!」というサイトのこちらのページを参考に、書店で見比べて相性がよさそうな本を選びました。どちらも「通読できる薄さのもの」という、わたしのような根性なしにとって一番重要なポイントを基準として選んでおります(汗)。

 化学の本を読むことにした理由は、実は昨年の終わりに免疫の基礎の本(もちろん、これも薄い)を少し読んだのですが、しばらく読み進めてから、なんとなく、これは先に化学をやった方がよさそうだという気がしたからです(←化学に弱い自分の場合は、というだけかも。実際のところはわかりませんが)。免疫の方は、仕事の文書に抗体医薬もけっこう出てくるし、抗体を使った実験もパラパラ出てくるし、その他にもさりげなく登場することが多々あって、仕事に直接関係してくることが多いので読み出したのですが、年も改まったことだし、まずは、去年も一度はトライしながら、ホッタラカシにしてしまった化学から、という長期計画に切り替えました。無機、有機を1年ぐらいで何とかできたらと思っていますが、甘いかなぁ…。そのあと生化学もやる計画なのですけど。

 化学に耐性(?)がつけば、読める本の幅も広がるだろうと期待しています。あと、キラリティーだのエナンチオマーだのという言葉が出てきても、あまりビクビクしないで済むようにはしたいものです(←こんなわたしが医薬の翻訳なんかやっててスミマセン・・・)。

 そういうわけで、ノートを取りながら無機から始めています。こうやってブログで宣言したことだし、今年こそは続けられますように。

統計の勉強、再び

2011.07.24.Sun
 以前にこちらの記事で、夏に大阪で医学統計講座があるということを書きましたが、その案内がこちらに出ています(→http://www.juse.or.jp/seminar/16143/)。春の講座はメディカルライター協会が主催していたのですが、夏の講座は主催団体が変わったらしく、協会のHPには掲載されていないので、ひょっとしたら、興味があるのにご存じない方がいらっしゃるかもと思われたので、書かせていただきました。

 統計講座はこちらの翻訳学校でも予定されていますね(→http://www.ilc-japan.com/osaka/archives/3803)。

 メディカルライター協会の講座は面白かったし、内容的にもすごく惹かれるので夏も行きたいなーと思っていたのですが、よくよく見れば、日程がお盆直後の平日2日間連続なのは、ちときつい(会社から緊急連絡があっても対応できないし)。 日程的には翻訳学校の講座の方が断然行きやすいので、行くとしたらこちらかなー、と思案しているところです。それにしても、どちらも良いお値段ですねぇ(ちょっと溜息)。

ささやかな成果

2011.07.05.Tue
 先日の土曜日、再び大阪某所で単発メディカル翻訳講座の第2弾を受講してきました。今度も事前課題の添削付きです。

 今回、講師を勤めて下さった先生の講座は、これまでにも単発で2回受講したことがあります。いずれもJTFのセミナーで、1回目は2年半前、2回目は昨年の秋でした。今回は3回目。講座の形式はいつも同じで、事前課題が用意され、受講者の答案をもとに、誰もが訳に苦労するところをポイントとして解説して下さるというスタイル。課題はだいたい、論文のアブストラクトです。

 こんなに何回も受講するのは、いつも先生のお話に感動してしまうから。話の内容は一貫していて、トコトン調べて原文の内容を完璧に解釈できていなければ、絶対に翻訳なんてできない、だから、内容が分かるまで誠意をもって調べ尽くすこと!という、熱いメッセージがヒシヒシと伝わってくるのです。今回のセミナーで印象に残った言葉は、「直訳か意訳か、という考え方は意味がない。翻訳には、良い訳か悪い訳しか存在しない」(ちょっとニュアンスが違ってるかも。でも、だいたいそんな意味だったと思います)というものでした。良い訳は、原文をきちんと解釈して作り上げた訳、悪い訳は、原文を解釈しきらないまま適当に言葉をつなげた訳、ということになるのだと思います。

 受講しつづけている理由は、もう一つあって、それは先生の添削基準が大変厳しいこと(本人が言っておられる)。A、B、C、D・・・というランク付きなのですが、2年半前はBランクしかいただけなかったのです。「私の採点は厳しいので、ランクが低くても気にしないで下さいね」とおっしゃるのだけど、そんなの無理ですってば。2年半前といえば、すでにお金を貰って翻訳していたので、「それなのにBかぁ・・・」と落ち込みました。まぁ、事前課題はあくまでもセミナーで実戦じゃないし、仕事の傍らササッと仕上げて提出したので、仕事に比べれば詰めが甘かったといえば、そう言えなくもなかったのですが。昨年秋の講座は、時間がなくて事前課題を提出できませんでした。というか、あの時は申し込んだ時点で課題の提出期限まで日数がほとんど残っていなくて、詰めの甘い答案しか提出できないのがわかっていたので、怖くて提出できなかったのです。講義だけ聴きに行きました。

 そして今回、1回目よりも頑張って課題を提出しました。いわばリベンジですね。そして、セミナー当日に返していただいた添削の結果はA-(Aマイナス)!やった!!と心の中でガッツポーズをしてしまいました。マイナスの原因は、本当にうっかりリサーチが甘いまま、そうと気づかず訳したところがあって、そこを指摘されてしまったのです。少しでも曖昧な気持ちで訳したところは、必ずわかると言い切る先生。絶対に突っ込まれます。「そこまで調べてなかった~っ・・・」とションボリしたのですが、「その点以外はA判定」と書いて下さっていたので、とっても嬉しかったのでした。

 ホケホケと喜ぶようなことではないかもしれません。もう数年間仕事してるんだし当たり前じゃないの、と思われても仕方がない。でも2年半前に比べれば少しは進歩したのかもしれないと思うと、嬉しいもんは嬉しい。今回の課題も、いつもながら、文章のあちこちでそれなりの工夫が必要だったので、ああでもないこうでもないと、けっこう悩みながら自分なりの答えを出していくしかなかったのです。それを認めていただけたので、自分がこれまでやってきたことは、少なくとも方向として間違ってなかったのだなーと思えたことは大きな励みになりました。

 次に受講する機会があれば、「この人に仕事を頼みたい」と思っていただけるような訳を提出したいなと(←おおっ、大きく出た!)、妄想しています。
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