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知りたい

2010.11.02.Tue
 京都でがん治療に関する学会があり、そのプログラムの一つである市民講座に行きませんかとお誘いを受けて行ってきた。学会なるものに市民講座があるというのは知らなかった。後で知ったのだけど、学会には一般市民向けのプログラムも、参加費は必要だけど設けられていることが多いらしい。

 テーマは、がんサバイバーシップ。患者さんが2人、医師が3人、登壇した。サバイバーというのは、わたしはこれまで、がんを克服した患者さんだけを指す言葉だと誤解していたのだけど、闘病を支えた家族や周囲の人すべてを含めて言うそうだ。

 演壇に立った患者さん2人は、その壮絶な闘病体験もさることながら、すごいのは、お二人ともひとまずの治療終了後(経過観察中)、がん患者を支援する活動に乗り出されたこと。お話の内容も迫力に満ちていたけど、講演後に偶々近くを歩いて行かれるのを見たら、立っているだけで並々ならぬ迫力が感じられる人たちだったのが驚きだった。患者さんというだけで、なんとなく弱々しいイメージを抱いてしまうのだけど、それははっきりと逆差別のようだ。

 登壇したお医者さんの1人、上野直人氏の話だけど、良い医療を受けるには、自ら勉強すること、聞く耳を持つこと、そしてコミュニケーション能力が大事と言う(←うろ覚え)。膨大な情報の中から何が正しいのかを見抜く目を、患者自身も持たなければいけない。そうすることで、医療は変わる、と。実のところ、患者さんはすごく勉強している。インターネットでの情報収集はもちろん、学会に熱心に参加する患者さんも多いというのは初めて知った。ほとんど全国を飛び回る人もいるという。患者さんって、実はすごいパワフルだ。学会には一般市民向けのプログラムもあると最初に書いたけど、それは、とあるご縁で一緒にプログラムに参加した乳癌の患者さんから聞いたことだ。でも、学会で市民向けの講座が開かれるようになったのも、最近の傾向で、10年前には考えられなかったことらしい。素晴らしい、夢のようだと、その患者さんは言っていた。患者さんに情報を伝えたい。そういう流れが加速的に広がりつつあるという。

 「とあるご縁」というのは、実はほんのちょっとだけ参加しているボランティアに関係している。米国のがん医療の情報を翻訳して発信しているサイトがあり、今回の市民講座には、そこの管理人さんからお誘いを受けた。参加していると言っても、本当にごくたまに記事を訳すだけのことで、今ではほとんど在籍しているだけのユーレイメンバーだけど、いつのまにやら数年間のおつきあいになった。このサイトは、患者さんに情報をわかりやすく伝えるという管理人さんの姿勢が貫かれている。とはいっても、内容的にはけっこう難しい。学術機関からの閲覧も多いと聞く。それに米国の医療情報なので、日本の事情とは合わないことも多い。

 でも、病気に関することなら、本当にどんなことでも知りたいと、上に書いた乳癌の患者さんは言っていた。日本の事情とは異なる情報でも、知ったことで、お医者さんと治療についてトコトン話し合う上で役に立つこともあるから、と。訳した記事を読んだ患者さんと実際に話したのは初めてだったけど、伝えた情報を、実際に誰かが役立ててくれている。しかも、闘病に役立ててくれている、というのは感動だった。なんか、すごいことに参加していたんだな・・・。

 上野直人氏は本も出版している。上野氏は、MDアンダーソンがんセンターという米国のがん治療の拠点病院の医師だ。いかにも米国の医療現場の人だなーという明瞭な語り口の人だった。患者さんをサポートするいろんな活動もなさっている。また、ご自身、がん患者でもある。本には、病院で治療を受ける患者さんが、良い医療を受けるためには何が必要かを書いたということで、たぶん上に書いたような内容だと思う。この本の収入はすべて寄付するので、ご自身には一円も入ってこないそうだ。病気には誰でもかかる。必ず自分も患者になる。そのときに病気とどう闘うかには、その人の生き様すべてが現れる。講演の中で、患者さんが紹介されていた言葉が印象に残った。"The worst thing in your life may contain seeds of the best."

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